Brave Kidsのカリキュラムは第二言語習得理論に忠実に作っています。少しとっつきにくい話もあるので、Ms.Kこと上村と親御さんの対話形式でお読みください!
Ms.K: Brave Kidsのカリキュラムだとどうして話せるようになるのか、の前に、どうして従来の英語学習で日本人が話せるようにならないのか考えてみましょう!
親御さん: 確かに、中学と高校で6年間も英文法をみっちり覚えて、受験のために語彙や文型、イディオムや発音記号をたくさん覚えて、テストではある程度点が取れるようになるのに、どうして英語を使う場面になるとほとんど役に立たないんでしょうね・・・
Ms.K: 言語をマスターするためには3つの要素が必要なのだそうです。
Ms.K: そして一番大切なのは、この3要素をバラバラに学ぶのではなく、全ての要素が結びついている中で学ばないと実際にコミュニケーションで使えるようにならないという点です。
親御さん: 日本の英語教育でやって来たのは、①の「言語形式」ばかりですね。文法や語彙を詰め込んで、単語単位で発音記号を覚えて・・・
Ms.K: ②の「意味内容」は英文和訳活動という形で少し触れるかもしれませんが、その文がどんな状況でどんな目的を持って使われるのかという③の「言語機能」に至ってはほぼ触れて来なかった気がします。だから使えないのですね。
親御さん: でもどうやったら3つをくっつけて英語学習できるのですか?すごく難しい気がします・・・
Ms.K: 英語で考えると難しいかもしれないので、一旦私たちの母国語である日本語で考えてみましょう。
赤ちゃんの頃の日本語習得の過程は生活の中で進むため要素が見えづらいですが、幼児期から小学生の時期だともう少し見えやすいかもしれません。
この時期に質の良い日本語サンプルにたくさん触れること、つまり本の読み聞かせや読書をできるだけ多くすることで国語力が高まるというのは皆さん疑いがないと思います。
本をたくさん読む中で、3つの要素が結びついた形で日本語を学んでいるのです。
親御さん: ということは、英語も同じで、たくさん読み聞かせや読書をすることで3つを結びつけながら学べるということですか?
Ms.K: はい。それが唯一の方法と言うわけではありませんが、読み聞かせや読書という形は一番取り組みやすく、効果も高い方法だと思います。
この「言語サンプルにたくさん触れること」を言語習得理論では「インプット」と呼び、「インプットなしに言語習得は成されない」と言うのが研究者の一致した見解です。
なのになのに、日本の英語教育ではそのインプット量が圧倒的に、全くもって、ぜんっぜん足りてないんです!!!
親御さん: おお、急に力が入りましたね。
Ms.K: すみません。そのくらいこの点をどうにかしたくって。言葉を使えるようになるには、まず大量インプットからスタートして、次のようなプロセスを経てアウトプット、つまり自分の言葉として発話できるようになります。
Ms.K: 話せるようになりたければ、急がば回れ。たくさんの言語サンプルに触れることなんです。
そして、上のイラストの4つのステップを踏み続けながら学習していくための大切な要素全てをカリキュラムに組み込もうとしているのが、このBrave Kidsというわけです。
親御さん: 具体的にはどのような要素を、どのようなカリキュラムで実施していくのですか?
Ms.K: 1つずつご説明していきますね!
Ms.K: インプットに適しているコンテンツは、お子さんにとって興味深く、楽しく、ある程度理解できるが少しだけ難しい、文脈があるものです。そこで、Brave Kidsでは多くのお子さんが大好きな漫画のバイリンガル版をインプット教材に使います。
親御さん: 漫画なら、興味を持って、意味や状況に自然と意識を向けながら英語に触れられそうですね!
Ms.K: そうなんです。そして漫画は基本的に対話文なので、話せるようになりたいと思った時の言語サンプルにとても適しているんです。
大人の学習者でも、ニュース英語ばかりインプットしていると、実際のカジュアルな会話になると自然な英語が話せないということがあります。
対話の英語をマスターしたいなら、対話形式のインプットが必要なんです。
親御さん: 漫画なら気持ち的な負担も少なくて、毎日取り組むのも苦にならなそう!
Ms.K: そこも大きなメリットです!日本語もそうですが、どんな言語も日々触れることが理想的です。英語が今すぐ必要でないお子さん達にとって、かなり楽しいと思えるコンテンツでなければ毎日触れていただくことも難しいんです。
親御さん: 漫画を使って具体的にどうやって学習するのですか?
Ms.K: コーチのお手本音声と一緒に漫画を見ながら読む練習(オーバーラッピング)からスタートします。
意味・状況や目的・音・文字・口の動き、の全てをつなぎ合わせて行う多読練習は、言語習得に必要な3つの要素を結びつけた学習です。毎日続けることで本当に使える英語力の素地が養われます。
そしていくつかのステップを経て、シャドーイング練習へと進んでいきます。
親御さん: シャドーイング?聞いたことはありますがどんな練習ですか?
Ms.K: テキストを見ないで、音だけ聴きながら少し遅れて自分もその英語を言っていく練習です。上級者向けのトレーニング方法として有名ですね。
私自身もかれこれ10年以上は続けていて、今も毎日やってます。やらないともう気持ち悪いというくらい、生活の一部、体の一部になっています。
親御さん: それを小学生でもできるんですか?
Ms.K: スモールステップで少しずつタスクの難易度を上げていけばできるようになります。小学校6年間は結構長いので、じっくりやっていきましょう!
Ms.K: 言語習得の3要素の1つ目である「言語形式」は、これ単体では英語を話せるようにならないのですが、大量インプットと組み合わせて行うことで大きな効果を発揮します。
親御さん: それがこの「声出しドリル」ですか?
Ms.K: はい。漫画のストーリーに出てくる語彙・文法・表現・フォニックスを中心に、学習用動画を見ながらどんどん声に出すというシンプルなドリルです。
これをインプットと並行して毎日行うことで、インプット→インテイク→統合化→アウトプットのステップが促進されます。
親御さん: 毎日やるのですね?ちょっと大変そう・・・
Ms.K: 小学校に上がれば、漢字ドリル、音読、計算ドリル、と毎日の反復学習が宿題で出ますよね。その日々の反復学習が国語力や数学の土台を作ることは明らかです。
ならば英語もやはり日々の反復基礎練習をさせてあげたいところです。
学校の宿題も、「提出しなきゃいけない」というプレッシャーがあるからみんなできているんだと思います。コーチに提出する課題があるので、きっと習慣化できるはずです!
Ms.K: 一般的な英会話スクールではどんな英会話練習をしているか知っていますか?
親御さん: 私が昔通った英会話スクールでは、シチュエーション別の会話例を使って、他の生徒と丸暗記してロールプレイングをしたり、会話例の一部を別の単語に差し替えて話す練習をした記憶があります。
Ms.K: そうそう、英会話レッスンでよくあるスタイルですね。でも実は、このようなフレーズを丸暗記させて言わせる、フレーズの一部だけ単語を入れ替えて言わせる、という活動は第二言語習得理論が意図する「アウトプット」ではないんです。これはただの口頭ドリルの域を出ていません。
親御さん: 子ども向け英語教室でも、チャンツに乗せてフレーズを丸暗記させる活動は多いみたいですね。
Ms.K: チャンツ自体が悪いわけではないんですけど、それだけではやはり使えるようにはなりません。
親御さん: では、どういう形のアウトプットをすれば本当に使える英語力になるのですか?
Ms.K: それは、「自由度のある発話」を練習していくことです。「このフレーズを使いなさい」のような与えられた型の中で発話するのではなく、自分の言いたいことを、自分の引き出しにある語彙や文法知識を総動員して、自分で組み立てて話すという練習です。
親御さん: それはすっごくすっごく難しいのではないですか??
Ms.K: 最初から完璧な文章で発話することを求めれば確かに難しいです。でも、最初から完璧じゃなくていいんです。むしろ、最初から完璧を目指すと全てが台無しになるとも言えます。
親御さん: 間違えた英語で話すところからスタートした方がいいのですか?
Ms.K: そのくらいの意識で見守れるといいですよね。お子さんが赤ちゃんだった頃を思い出してください。「マンマ」「ブーブー きた」などの1語発話、2語発話が飛び出した頃の感動を!
そこからも可愛い言い間違いをたくさんしながら、少しずつ正確性が上がり、言えることのバリエーションも広がり、日本語の良い使い手になりましたよね。
あの時のように、不完全な発話を温かく見守ることが結果として良い英語の使い手を育てるのだと思います。
なので、Brave Kidsの担任コーチはそのようなステップが踏めるよう、マンツーマン英会話セッションを導いていきます。
親御さん: そんな英会話レッスンができるのですか?今まで見たことないので想像がつきません。
Ms.K: 自由発話をベースにした英会話レッスンを、お子さんに、しかも初心者レベルから、ですから想像がつかないのも無理がないかもしれません。
これを可能にしているのがBrave Kidsのコーチ陣なんです。日本人でありながら高い英語コミュニケーションスキルを身につけたからできる指導です。時に日本語で「言語形式」を指導しながら、内容にのめり込めるテーマで、レベルにあった自由発話を促すため、このようなレッスンが可能になっています。
メソッドの詳細はぜひ体験受講で実際に体感してみてください!
受験英語が始まる前の小学6年間、言語習得能力がまだまだ高いこの大事な時期を、正しい英語学習環境の中で過ごす選択のために、少しでも参考になれば幸いです。
ここで書かせていただいた第二言語習得理論の多くは、和泉伸一・著「フォーカス・オン・フォームとCLILの英語授業」の書籍で学んだことです。
さらに詳細を知りたい方はぜひご一読されることをお勧めします。